【専門家監修】立ち会い出産、どうする?知っておきたい準備とプロセス

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出産

助産師・浅井貴子先生による監修記事です。

立ち会い出産を希望する夫婦は年々増えていると言われており、さまざまな体験談や感想も聞こえてくるようになりました。これから出産を控えている人にとっても、立ち会い出産をする・しないという判断は一つの大きなポイントになってきますよね。

そこで、この記事では「どうしようかな?できるかな?」と立ち会い出産について悩んでいる人の参考になりそうな情報や知識をまとめてみました。女性はもちろん、男性にも読んでいただきたい内容なので、ぜひ共有してみてください!

立ち会い出産のメリット

立ち会い出産のメリットとしては、家族が付き添うことで出産に対する不安な気持ちが少しでも和らぎ、安心できるという点が最初に挙げられるでしょう。
初産ではもちろん、何回目のお産でも痛みやリスクが減るわけではないので、不安は付き物です。そんなとき、信頼できる人がそばにいてくれたら心強いですし、サポートしてくれたらもっと助かりますよね。
また、そんな一大イベントを共に乗り越えることで家族の絆が深まる、なんて効果も期待できます。命が誕生する瞬間に立ち会える喜びや感動はほかでは得られませんし、特に妊娠や出産を自身の体で経験できない男性にとっては、子を持つ自覚や実感を持てる機会の一つにもなるでしょう。

ちなみに、立ち会い出産はパートナー間に限らず、親や兄弟姉妹が立ち会うケースも増えてきています。産後の育児を実家と協力して行う、赤ちゃんが産まれる様子を伝えたい、といった動機が多いようです。
お産のスタイルやニーズは人それぞれなので、自分たちが納得できる内容になるよう、準備していきましょう。

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事前の準備・用意について

実は、立ち会い出産を成功させるためには事前の準備や用意がとても大切です。特に、お互いの考えや気持ちを理解しすり合わせたりしておかないと、後々の不満として残ってしまいがち。
また、荷物の用意が不足していても、辛い陣痛を乗り切るのに心許ないです。ああすればよかった…なんて後悔を残さないために、事前準備はしっかりしておきましょう!

考えのすり合わせをしておく

立ち会い出産がメジャーになってきているとはいえ、考え方や価値観はいろいろ。
なので、パートナー間での話し合いはマストです。ここがズレていると、出産の直前や当日にトラブルが起きたり、長年の禍根に繋がったりします。

確認したいポイント
  • 立ち会いを希望する・しない(その理由も)
  • パートナー以外の家族を入室させるか否か

お互いに、立ち会いを希望するかしないか、またその理由までもしっかり出し合いましょう。
漠然とした理由ならそれでもいいですし、明確にここが駄目だというポイントがあるなら隠さず伝えるべき。パートナー以外の立ち会いについても要確認です。
ここでオープンに話し合える関係を作っておくと、産後の育児も連携が取りやすくなりますよ。

パートナーや家族の希望が出揃ったら、出産を予定している病院とも相談していきます。立ち会いする・しない、誰が立ち会う、といった自分たちの考えやニーズをはっきりと伝え、それについての回答やアドバイスをもらいましょう。
病院によっては、特にパートナー以外の立ち会いについて方針が合わない場合もあるかもしれません。自分たちがどこまで妥協できるか、もしくは転院するか、納得できるまで話し合って判断したいところ。

ちなみに立ち会い出産についての情報収集は女性だけでなく、男性も主体的に動くことをオススメします。
なぜなら、受け身の姿勢ばかりだとどうしても頼りなく、消極的に見えてしまうからです。また、一人でやるよりも多方面からの情報を集めやすくなり、偏りのリスクが減らせます。

持参する荷物の用意をしておく

入院グッズ、お産グッズは一通り病院から説明されて揃えることになりますが、妊婦だけでなく立ち会い希望者も一緒に用意や確認をしてください。いざという時に何がどこにあるのか把握していないと、探し出すのに手間取ってしまうからです。
さらに、お産は数十時間の長丁場になることも珍しくないので、妊婦だけでなく立ち会い希望者の着替えや飲み物などもひとまとめにして用意しておきましょう。
プラスで、各種充電器やカメラ、バッテリーなどもあるといいかも。漫画などの娯楽品は不要です。

すぐ対応できるようにしておく

そして、タクシーや職場、実家など緊急時の連絡先は事前に共有しておくと安心。
家の目立つところに貼っておくのが誰でも分かりやすい方法ですが、クラウドやスマホアプリで共有する方法も便利です。こちらは、出先でも簡単に確認できるというメリットがあります。
いつ、どこで陣痛が始まるか分からないので、いくつかの方法で連絡先を明確にしておくと困りませんよ。

さらに余裕があれば、病院内の間取りも事前にチェックできると完璧です。
妊婦検診で外来にしか入ったことがないと、病棟や分娩室の場所が意外と分からなかったりします。そもそも、時間外だと外来は閉まっているので気を付けてくださいね。
日程が合えば院内見学などに足を運んで実際に見に行けるといいですね。難しい場合はHPなどで見取り図をチェックするだけでも、参考になりますよ。

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立ち会い出産は何をする?

さて、立ち会い出産では具体的にどんなことをするのか、何をしたらいいのか、イメージできますか?
実は、お産の経験がないとよく分からないという人が大半。流れごとに、ポイントを確認していきましょう。

陣痛が来て病院に着いてから

陣痛が定期的に来て間隔も狭まると、お産セットを持って病院へ向かいます。
ここから先は産まれるまで痛みが続くので、休むことも寝ることも難しいです。早くても数時間、長ければ何十時間も耐えなければいけません。精神的にも体力的にも消耗し、疲れは溜まる一方なので、立ち会い者は少しでも妊婦がリラックスできるようにサポートしていきましょう。

このとき、目の前で仮眠や食事を取ったり、別室であっても飲酒や喫煙をしてきたりするのはあまり歓迎されません。妊婦本人は睡眠や食事を取ることもできず痛みに耐え続けており、精神的にも疲弊している状態ですから、心身ともになるべく寄り添うような言動を心がけましょう。

立ち会い者が体力や気力的に休みが必要だと感じた場合は、近くの病院スタッフに声をかけてから退室してくださいね。無言でいなくなってしまうと、手助けが必要なときの対応が遅れてしまうだけでなく、妊婦を不安な気持ちにさせてしまいます。

お産が進んできたら

子宮口が開くにつれて、痛みに合わせて赤ちゃんが出てきそうな感覚が度々起こるようになります。これは、トイレに行きたいような、何かが押し出されるような感覚で、耐えるのはかなり辛いです。
しかし、早い段階で力を入れると”膣が裂けてしまう”、”赤ちゃんに負担がかかる”といったリスクが。そのため、子宮口が全開になるまでは「いきみ逃し」が必要になります。いきみ逃しの方法はいくつかあるので、呼吸法やマッサージなど、事前に両親学級などで確認しておきましょう。

分娩室に入ってから

いよいよお産が佳境に入ると、分娩室へ移動することになります。ここでは陣痛の波に合わせて思いっきりいきみますが、かなりの激痛が伴い、パワーも必要です。
そんな鬼気迫るシチュエーションを見られたくない、見たくない、という声も一部では聞こえます。また、パートナーは良くても親や子どもには見せたくない、という意見も。
実際に分娩室へ入ってからはそんな意思の確認をする余裕もないので、事前に打ち合わせで誰を入れるか、決めておきましょう。

ところで、分娩室での立ち会い者の位置は分娩台の頭側が基本です。足元にまわることはほぼないので安心してください。
サポートとしては手を握る、首を支えるなどが挙げられますが、その場に医師も助産師も揃っているなら邪魔にならないよう声掛けをするのがベストかも。
ここまできたらあと一息なので、退室はしないように。

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まとめ

分からないことや不安も多い出産ですが、パートナー間や家族で力を合わせれば乗り越えられるはず。準備や情報収集もしっかりして、素敵な立ち会い出産を迎えてくださいね。

また、帝王切開などの事情で、希望していても立ち会い出産が出来ないケースも実は少なくありません。立ち会いをしないと男性は父性が芽生えない…なんてことはないので、心配は無用です。産後は育児を通して、父親も母親も成長していきますよ

専門家コメント
病院によっては感染症対策の問題で「立ち合い出産」を見合わせている所もありますが、ビデオ立ち合いで希望を叶えてくれる所もあります。
立ち合い出産でもバースプランは可能なので、疑問に思っている事やどこまでサポート出来るかなど助産師さんと話し合う機会があると、本番も安心して出産に望めるようです。

【監修】浅井貴子 先生

浅井 貴子(あさい たかこ)東京都在住フリーランス助産師 大学病院、未熟児センター勤務ののちフリーランスとして活躍。現在近隣の行政で、母親学級、育児相談、年...

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