【専門家監修】母乳外来は母と子の味方!こんなときはすぐ受診しよう

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ヘルスケア

助産師・浅井貴子先生による監修記事です。

赤ちゃんを母乳で育てている人は、常におっぱいの悩みに苦しめられていますよね。乳腺炎といった激しい症状が現れなくても、必要以上に張ってしまったり、出が悪かったり、赤ちゃんが飲む時に激しく痛んだり…。
そんな時に頼りになるのが母乳外来です。今回は母乳育児を頑張る人たちの駆け込み寺とも言える母乳外来についてお話しします。母乳外来の役割や、母乳外来に行くべきとき、など母乳で頑張る人が知っておくべきことを解説しますので、ぜひ最後まで目を通してくださいね。

母乳外来って?なにをするところなの?

母乳外来とは、簡単に言えばおっぱいに関するほとんどのトラブルを解決してくれる場所です。病院が主催している母乳外来だけでなく、助産師や看護師などおっぱいケアに特化した専門家が個人で運営しているものもあります。
まずは、母乳外来でできることを確認していきましょう。

母乳に関する相談に乗ってくれてアドバイスをしてもらえる

母乳外来には、母乳やおっぱいの専門家が在籍していますので、母乳やおっぱいの悩みならなんでも受け付けています。

  • 母乳の出が悪い
  • 赤ちゃんが上手に吸ってくれない
  • 母乳をあげているのに赤ちゃんの体重が増えない
  • おっぱいが詰まってしまった
  • 乳腺炎になったかもしれない
  • 白斑ができている
  • 母乳が出すぎて困っている
  • 赤ちゃんの正確な体重を知りたい
  • 母乳が足りているかどうかを知りたい
  • 断乳、卒乳をしたい

特に生後1週間以降、退院してから1ヶ月検診までのあいだは多くの母親たちが母乳育児や慣れない赤ちゃんのお世話に戸惑い苦しんでいますので、気軽に母乳外来を訪れて、育児の相談をするといいですよ。

おっぱいマッサージをしてもらえる

母乳外来では、必要に応じておっぱいマッサージをしてくれます。
初めての母乳育児の方は、乳腺が開通しづらい、もしくは詰まっていて、母乳の出が悪いことが多いのですが、それをマッサージで解消するのです。詰まりを解消して古くなった母乳を絞り出すことで、哺乳力が弱い赤ちゃんでもごくごくと飲めるようになることもあるんですよ。
乳腺炎になりかけの場合や白栓ができてしまった場合も、おっぱいマッサージは有効です。詰まりを解消することで、おっぱいの出がよくなり不快な症状が改善されます。

赤ちゃんと母親の授乳指導をしてもらえる

赤ちゃんって、想像以上におっぱいを飲むのが苦手ですよね。特に新生児は、上手におっぱいを口に含むことすらできないことも。また、母親も赤ちゃんを上手に誘導できず、あちこちに力が入ってしまい腱鞘炎になったり肩こりが悪化したりと満身創痍になりますよね。
母乳外来ではそんな母親と赤ちゃんが、自然に楽な姿勢で過ごせるように指導もしてくれます。
母親と赤ちゃんの数だけ最適な授乳姿勢がありますので、専門家にチェックしてもらい正しい方法を指導してもらうと、びっくりするほど授乳が楽になることもあります。

母乳に優しい食事の指導をしてもらえる

母乳は母親の血液から作られます。だから、母親の食生活が重要と考える母乳外来が少なくありません。根菜を多く食べて、甘いものや脂っこいものは避けること、など本人の体質や母乳の質に合わせた指導をしてもらえます。特に詰まりやすい方は食事管理が重要なので、相談してみるとよいでしょう。

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どんなとき母乳外来に行けばいいの?

母乳外来の多くは産婦人科や助産院に併設されています。医師が診察するのではなく、母乳の専門家が相談に乗ってくれますので、これといった症状がなくても大丈夫。自身が不安に感じることがあったときが、母乳外来の受診サインです。
それだけでは不安になると思いますので、こんなときは母乳外来に行くべき!というシーンをまとめておきました。母乳外来に行こうかどうか悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね。

母乳が詰まった!白斑ができた!乳腺炎一歩手前!

母乳育児の大敵といえば、乳腺炎です。乳腺炎とは母乳が詰まり中で細菌が繁殖して引き起こされる病気です。主な症状は乳房全体の痛みや腫れ、赤み、高熱、悪寒など。
とにかく痛くて苦しいので、一度乳腺炎になった方は乳腺炎になる前兆もはっきりとわかると思います。まだかかったことがない方は以下の症状があらわれたら、躊躇せずに母乳外来に行きましょう。

  • 授乳中に乳首以外の箇所が痛む
  • おっぱいが熱を持っている
  • チクチクとした痛みがある
  • とにかく寒い
  • 高熱が出た

授乳していておっぱいに痛みや違和感があれば、乳腺炎を疑ったほうがよいです。経験上、チクチクした痛みを感じた場合は、高い確率で乳腺炎になりました。
乳腺炎は低月齢赤ちゃんを持つ人がかかりやすい病気ですが、1歳以降でも乳腺炎になることもありますので、おっぱいの違和感を覚えたら月齢に関係なく母乳外来に行ってみましょう。早ければ早いほど、乳腺炎を回避できる可能性が高くなります。

夕方以降赤ちゃんがよくぐずる!体重が増えない!

母乳不足は赤ちゃんの成長によくありませんし、赤ちゃんがぐずりがちになるので育児がハードモードに突入してしまいます。母乳が足りているかどうかの指標は色々ありますが、わかりやすいのが赤ちゃんのご機嫌。
常に機嫌が悪い、授乳の間隔が短いという場合は、母乳が足りていない可能性があります。夕方以降に赤ちゃんの機嫌が悪くなりがちで、あまり乳首に吸い付いてくれないという場合は、しっかりと母乳が出ていない可能性も。
母乳外来では、赤ちゃんがどれくらい母乳を飲んでいるのかを測定した上で、必要なマッサージ指導をしてくれますので、母乳不足で悩んでいる方は相談してみるとよいでしょう。

母乳育児が辛い…と感じたとき

赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれない、おっぱいをあげても機嫌がよくならない、夜間頻繁に起きる、授乳姿勢が辛い、など母乳育児に困難を感じたときも母乳外来を予約しましょう。母乳の悩みを放置すると育児自体が苦しくなってしまいます。
体だけでなく精神的な辛さ、悩みも聞いてもらえますので、一人で抱え込まずに相談してみましょう。
また、卒乳・断乳のサポートをしてくれる母乳外来もありますので、そろそろおっぱい卒業かなと考えている方も相談してみるといいですよ。

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母乳外来に必要なものは?料金はいくら?

母乳外来に行くために必要なものはこちらです。

  • オムツ
  • 赤ちゃんの着替え
  • タオル
  • 母子手帳

大体の母乳外来はこれさえあれば大丈夫。ミルクを飲んでいる場合はミルクセットも持って行きましょう。
母乳外来のほとんどは医師の診察を伴わない自由診療なので、かかる費用は施設によって異なります。
大体、1時間で、3,000円から5,000円ですので現金を用意しておきましょう。乳腺炎などで病院を受診する際は、健康保険が適用されますのでそれほど高額にはなりません。ちなみに多くの母乳外来は予約が必要ですので、あらかじめ予約しておきましょう。

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まとめ

母乳外来は、赤ちゃんの育児の悩みならなんでも相談できると言っていいほど守備範囲が広く、母親たちの心強い味方です。
乳腺炎などの具体的な症状が出ていなくても、母乳育児の悩みならなんでも相談できます。「赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれない」「母乳育児が辛い」「母乳をやめたい」「断乳したい」などの悩みならなんでも受け付けています。
マッサージや相談によって、母乳トラブルが解消されたら、育児も少しだけ楽になるはずです。母乳外来の受診を考えている人は気軽に相談してみましょう。

専門家コメント
母乳外来があるところは母乳育児に熱心な産院が多いようです。
トラブルが起きてから通うというところがほとんどですが、産後2週間ごろから定期的にフォローしてもらえるところもあります。また、外来でなく産婦人科病棟でもフォローしてもらえる病院もありますので、出産した病院に確認を取ると良いと思います。
母乳はミルクと違ってどのくらい飲めているかわからないなどありますので、数値化して安心できる良い点もあり、助産師さんに母乳以外の色々な相談に乗ってもらえる良いチャンスでもあります。上手に利用して良い関係を保つようにしましょう。

【監修】浅井貴子 先生

浅井 貴子(あさい たかこ)東京都在住フリーランス助産師 大学病院、未熟児センター勤務ののちフリーランスとして活躍。現在近隣の行政で、母親学級、育児相談、年...

プロフィール

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