【専門家監修】妊娠中のストレッチ!マタニティストレッチのメリットと注意点

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エクササイズ

助産師・浅井貴子先生による監修記事です。

妊娠中は無理は禁物。激しい運動はするべきではないと考えられていますよね。
でもストレッチは?体の筋肉や筋を伸ばすことは、妊婦にとってはメリットがあるように思えますが、実際のところマタニティストレッチはするべきなのでしょうか。

そこで今回は、マタニティストレッチのメリットや注意点を紹介します。妊娠中だけどストレッチをしてもいいのかな?と考えている人はぜひ参考にしてくださいね。

マタニティストレッチをやるべき3つの理由

先に結論を言うと、妊娠期間中でも安定期に入ってトラブルがなければストレッチはやるべきです。
まずはその理由を確認していきましょう。

理由1:体重増加を防止できる

ストレッチといえども立派な運動なので、定期的に行うことで妊娠中の体重増加を防止できる効果が期待できます。
妊娠中は、人によっては食欲が増進するにも関わらず、非妊娠時と比べると活動量が減るため、体重が増加しやすいものです。また、妊娠中のホルモンの働きによって体に水分を溜めやすくなるため、太りやすい状態となります。
でも、過剰な体重の増加は禁物。産院によっては、体重増加を厳しく管理し規定以上増えると分娩を断ることもあるとか。

そこで、役に立つのがマタニティストレッチです。マタニティストレッチは妊婦の体に負担にならないように考えられているので、無理なく体を動かせます。
カロリー消費こそ大きくはないものの、筋肉の柔軟性を上げることで可動域が広がるうえに血行が良くなり、基礎代謝の向上が見込めます。

理由2:妊娠中の腰痛予防の効果が期待できる

妊娠中は、多くの人が腰痛に苦しみます。妊娠中腰痛の原因は様々で、簡単に特定することはできません。
しかし、お腹が大きくなることで上体が反りやすくなることと、出産に向けて骨盤周辺の靭帯が緩みやすくなることが、腰痛の大きな原因だと言われています。
また、運動不足によって筋力が低下して腰痛になることも。腰回りの筋肉量が低下することで、バランスが崩れてしまうのです。このような腰痛は、定期的に体を動かして筋力を維持することで予防できる可能性があります。

そんな腰痛予防にも、マタニティストレッチは有効。体を動かすことで筋力の低下を予防でき、妊娠中でも正しい姿勢を維持できるように組み立てられているので、無理なく腰痛を予防できます。
日頃から腰痛に苦しんでいる人は妊娠中の腰痛リスクが高めなので、痛くなる前にマタニティストレッチに取り組むといいですね。

理由3:しんどい妊娠中のストレスを吹き飛ばすリラックス効果

妊娠中の女性は非常にストレスフルです。食べてはいけないものがたくさんあり、お酒も飲めません。コーヒーや緑茶もガブガブ飲めないので、人によっては大きなストレスを感じてしまいます。ジェットコースターに乗れない、走れない、など行動にも制約がかかりますよね。

そんなストレスフルな妊娠期にも効果的なのがマタニティストレッチです。
リラックスできる音楽をかけて、好きなアロマを焚いてマタニティストレッチをすれば、さらに身も心もリフレッシュできます。
軽度の運動はうつ病を予防できるという研究もあるので、心が沈みがちな人はぜひ取り入れたいですね。

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マタニティストレッチの注意点とは?

マタニティストレッチは妊婦にとってメリットが大きいのですが、繊細な妊娠中であるからこそ注意しなければならない点もあります。

安定期に入ってからスタートしよう

マタニティストレッチは、妊娠中の体に負担がかからないようにできているものの、流産等のリスクが高いと言われる安定期前は行わないようにしましょう。
近年では、流産の原因は先天的なものであり運動などによって流産のリスクが上がることはないという見方が強くなってきたものの、やはり心配な気持ちは拭えませんよね。
どのみちつわりがあるようではストレッチどころではありませんし、胎児の心拍が確認でき、つわりがおさまってくる妊娠5ヶ月以降の安定期にスタートするのが確実でしょう。
心配な人は、主治医にマタニティストレッチに挑戦しても大丈夫かどうかを確認しておくといいですよ。

切迫早産と診断されている人は厳禁

切迫早産と診断されて投薬を受けていたり、入院したりしている場合はマタニティストレッチは絶対禁止です。少しでも体を動かすと早産のリスクが高まります。
マタニティストレッチは妊婦にとってメリットが大きいものの、必ず行わなければならない、しなければ赤ちゃんに悪影響があるというものではないので、できないからといって落ち込まないでくださいね。

お腹が張るようなら即座に中止

妊娠中期以降はお腹が張りやすくなりますが、必要以上にお腹が張ると切迫早産のリスクを高めてしまうので、お腹が硬くなったなと思ったらストップしてくださいね。お腹がゆったりしている状態でできるストレッチにだけ取り組めばOKです。

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マタニティストレッチのやり方

マタニティストレッチのメリットと注意点がわかったところで、簡単なマタニティストレッチの方法を紹介しますね。

猫のポーズのマタニティストレッチ

妊娠中期から後期にかけておすすめのストレッチがこちらです。ジムなどでも取り入れられている猫のポーズのストレッチ。腰痛予防に効果があると言われているんですよ。

  1. 四つん這いになる
    掌と膝が床についている状態で、背中をフラットにします。自分自身がテーブルになったイメージを持つと分かりやすいと思います。
  2. 息をゆっくり吐きながら背中を丸める
    猫のポーズ1
    通常はおへそを見るイメージですが、妊娠中はおへその位置が通常時とは異なるので、お腹のてっぺんを見るイメージで大丈夫です。猫が背中を丸めている様子を思い浮かべながら丸まってください。
    鏡を見てみるとわかるのですが、自分で丸まっていると思ってもほとんど丸まっていないものです。最初は上手に丸くなれませんが、慣れてくると丸くなれますので安心してくださいね。
  3. 息を吐きながら背中を反らす
    猫のポーズ2
    背中を反らすポーズは腰痛を既に発症している人にとってはちょっと辛いかもしれないので、腰に違和感を覚えている場合は省略して大丈夫です。また、お腹が張りやすいと感じる人もストップしてくださいね。
    体調、お腹の様子、腰痛ともに問題ない人だけが、反らすポーズに挑戦してみましょう。

座ってできる!股関節をほぐすマタニティストレッチ

座った状態でできるストレッチもご紹介します。

  1. 足の裏と裏を合わせてあぐらをかく
    股関節
  2. 背筋を伸ばす
  3. 膝を床に近づけるように手で優しく押して、股関節を伸ばす

これが1セット。とっても簡単ですよね。テレビを見ているときなどにもこなすことができます。
こちらのストレッチには、骨盤底筋を柔らかくする効果があります。骨盤底筋とは、膣や尿道、肛門などの周囲に存在する筋肉です。出産の際は、骨盤底筋が緩むことで赤ちゃんが生まれやすくなるんですよ。
また、股関節の柔軟性を上げることで、お産の際に姿勢が取りやすくなります。

まとめ

マタニティストレッチは、無理なく行えば体重増加や腰痛を防止するだけでなく、ジェットコースターのような不安定なメンタルを整えることができる優れもの。
毎日続けよう!と思うと負担が大きいので、気が向いたとき、体調が良いときにやってみよう、くらいの気持ちで取り組むといいですね。くれぐれも無理のないように行いましょう。

専門家コメント
妊娠中は腹ばいにもなれず、自由に姿勢を変えることも出来ず肩こりや足のツリなどが多く出現します。
ゆっくりお風呂に入った後などに、マタニティーヨガやストレッチをすると就寝しやすくなります。
朝起きた時にも時間があれば、習慣づけるとよいでしょう。

【監修】浅井貴子 先生

浅井 貴子(あさい たかこ)東京都在住フリーランス助産師 大学病院、未熟児センター勤務ののちフリーランスとして活躍。現在近隣の行政で、母親学級、育児相談、年...

プロフィール

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