いつからできる?服装は?マタニティヨガの6つの効果と4つの注意点

心と体が大きく変化する妊娠期。不安定になりがちな心と体を結びつけ、そして自分自身と赤ちゃんのつながりを深めることができるマタニティヨガはとてもおすすめのフィットネスです。
「マタニティヨガってただのリラクゼーションじゃないの?」
そう思われることもありますが、近年ではDVDや書籍もたくさん発売されており、教室を主催する産婦人科も多く見られるようになり、マタニティヨガはとても盛んに行われています。
2017年にセブン&アイ出版が行った調査によると日本で月1回以上ヨガを行っている人は約590万人、そのうちマタニティヨガの経験者は11.3%、認知率も含めると69.1%にも登り、多種多様なヨガの中でもメジャーであることがわかります。
なぜそれほどまでに人気があるのか?その理由はマタニティヨガ特有の嬉しい効果にあります。
そもそもマタニティヨガって?
ヨガと一口に言っても様々な種類がありますが、呼吸や瞑想を組み合わせることで体と心の安定を図ることが大きな目的。
マタニティヨガは通常のヨガとは違い、腹部を圧迫したり腹筋を大きく使ったりするようなポージングを避けてゆったりした動きを中心に行うため、運動が制限されがちな妊娠期でも行うことができます。ストレッチ的なポージングや呼吸法を行い、無理のない範囲でほどよく心身をほぐし、不安定になりがちな妊娠期の心身に良い効果もたらすとされています。
マタニティヨガの効果って?
1.お産に役立つ
ヨガの呼吸法はリラックスすることが重要視されていますが、お産の際の呼吸法とよく似ており、分娩時に役立つと言われています。呼吸法により体の緊張を緩めることで子宮底筋群も緩み、産道が硬くなるのを防いでスムーズな分娩につながるのです。分娩時に呼吸法を突然指示されてもなかなかできませんが、日頃からマタニティヨガを取り入れることにより呼吸で脱力する感覚を体で覚えておくことができます。
またヨガのポージングにより股関節の柔軟性が上がり、分娩時の姿勢が取りやすくなる人もいるようです。
2.リラックス効果
気分転換になるのはもちろん、リラックス効果により自律神経が安定し、ホルモンバランスの乱れからくる精神的な不調や不眠の症状にも効果的。マタニティブルーの解消にもマタニティヨガが推奨されることが多いのもそのためです。
マタニティヨガをすると眠くなるという人もいますが、リラックス効果が高い証拠です。
3.不快症状解消・予防の期待
ヨガの呼吸法は腹式呼吸で行われますが、妊娠期はお腹が圧迫され無意識のうちに胸式呼吸になりがち。
ヨガの呼吸法をポージングによるストレッチとともに行うことで血液やリンパの流れを促進し、妊娠期特有の疲労感・肩こり・腰背痛・むくみ・こむら返り・冷え・便秘などの様々なマイナートラブルの緩和や免疫力のアップなどが図れます。
4.運動不足の解消
マタニティヨガはゆったりとした動きですが、以外にも有酸素運動のひとつ。呼吸法と筋肉を意識しながらポージングを行うことで基礎代謝を上げる効果が期待できます。
妊娠前と比較して体を動かす機会が減ってしまう妊娠期は運動不足になりがちですが、マタニティヨガは体への負担がかかりくいので、無理なく運動不足の解消・体力作りができます。
5.赤ちゃんとのコミュニケーション
マタニティヨガでは瞑想を通して、赤ちゃんとの繋がりを深めるのも大きな目的です。
リラックスしながら瞑想することで自身の体とお腹の赤ちゃんに意識を集中し、胎動を感じながらコミュニケーションを取ると同時に、出産に向けてのイメージトレーニングを兼ねることができます。
6.産後の体型改善につながる
マタニティヨガを行うことで基礎代謝が上がるとともに、骨盤の歪みが改善され出産後の筋や骨盤の戻りが早くなるケースも見られます。骨盤の開きが戻ることで体型も戻りやすくなり、腰痛など不快症状の緩和も期待されます。
ヨガをやったことなくても大丈夫?
マタニティヨガでは難しいポージングに挑戦することではなく、自身と赤ちゃんが心地よく過ごせることが大切。マタニティヨガで初めてヨガに触れる人も少なくありません。
大きなお腹でも無理なくできるポージングばかりなので、ヨガ初心者の人にはもちろん運動が苦手な人や体が硬い人でも取り組めます。
どんなポージングをするの?
お腹を圧迫したり、力がかかったりするようなポージングは行いません。いずれも取り組みやすい難易度にもかかわらず妊娠期の不快症状の改善や柔軟性アップにつながるものばかり。
この他にも多種多様なポージングがありますが、いずれもストレッチ効果が高く、呼吸法を意識しながら行うことで妊娠期の心身に良い影響を及ぼします。
妊娠期のうちいつからいつまでできるの?
一般的にはつわりの治まる15週前後から開始することが多いようですが、体調や赤ちゃんの状態によるため主治医の先生によく相談して開始しましょう。
終了時は特に問題がなければ臨月まで行う人も少なくありませんが、お腹が大きくなるにつれ張りやすくなる体質の人もいるので、主治医に相談しながら体調に合わせ無理なく行いましょう。
どのくらいの頻度でやるの?
教室で月3回・1回あたり1時間前後という人もいれば、教室には通わず自宅で毎日15分ほど行うという人もいますし、教室でヨガをする日以外は自宅で…と組み合わせている人もいます。
エクササイズとして取り入れるなら頻度はある程度多いほうが良いですが、なにより大切なのは気負わずに気持ちよく続けられること。体調やスケジュールに合わせて気分転換として行うだけでも、マタニティヨガには十分なメリットがあるのです。
主治医の先生はもちろん、教室に通う場合は講師の先生にも相談しながら、自分に最適なペースで行いましょう。
どんな服装がいいの?
ヨガといえば専用のウェアを着用するイメージがありますが、十分にリラックスできる服装であれば専用のものでなくても構いません。体を伸ばしたり、開脚したりと様々なポージングを行うので、動きやすいように上下とも伸縮性のある生地でできたものが好ましいでしょう。
トップスは肩周りにゆとりがあるもの、裾がずり上がって来ないものが快適です。暖かい季節であれば、キャミソールやタンクトップ、大きめのTシャツやチュニックなどのラフなものが◎。
逆に寒い季節なら体が冷えないように長袖のスウェットやジャージ素材のものがおすすめですが、ヨガは体を温める効果があるので脱ぎ着しやすいタイプのトップスが快適です。
ボトムスも動きやすさを重視してマタニティパンツはもちろん、ワンピースやハーフパンツの下にマタニティレギンスを合わせるのもおすすめ。
注意点は?
1.無理は禁物
母体と赤ちゃんの安全と健康が第一です。無理をして体調を崩しては元も子もありません。必ず主治医の先生の指示に従い、貧血やお腹の張りなどの症状があるときはもちろん、少しでも体調が優れない場合はお休みしましょう。
リラックスすることが重要なので、気分が乗らないときに無理に行うのも自身と赤ちゃんのためになりません。自分のペースでマタニティヨガを取り入れましょう。
2.転倒に注意
妊娠中は重心が変わるため、転びやすくなる人も少なくありません。難しく感じるポージングは無理に行わないとともに、自宅で行う場合もヨガマットは用意しましょう。
タオルや毛布をヨガマットの代わりに使用する場合、滑りやすいので立って行うポーズは厳禁です。
3.食後・入浴後すぐは避ける
ヨガは朝と夜に行うと効果が得られやすいと言われていますが、特に決まりはありません。ですがヨガには血行を良くする効果があり、食後2時間程度は内臓に負担がかかりやすくなっているので避けましょう。
また入浴した直後も血流が良くなりすぎて心臓に負担がかかる恐れがあるため、30分以上経過してからにしましょう。
4.冷えに注意
ヨガをするときは薄着になりがちであるとともに、体が温まり汗をかくことも少なくありません。常にお腹が出ないような服装を選ぶとともに、汗をかいたときのために着替えを用意するのを忘れないようにしましょう。
まとめ
心身ともに状態が大きく変化する妊娠期にマタニティヨガを取り入れることで心と体の安定に繋がり、母親にも赤ちゃんにもプラスの効果が豊富にあります。
それを期待して自身と赤ちゃんのためにマタニティヨガを始める場合がほとんどだと思いますが、体調が思わしくなくスケジュール通り続けられない、なかなかメニューをこなせない…といったこともあるかも知れません。そんなときは思ったように取り組めないことがもどかしく思えて落ち込むこともあると思います。
ですがマタニティヨガはノルマをこなすエクササイズではなく、気負わず心地良くできるときに行うもの。マタニティヨガをやることそのものにストレスを感じてしまうときは無理をせずお休みしてもなにも問題ないのです。
「ヨガ」の語源は「繋がる、結ぶ、くっつく」などの意味を持つサンスクリット語から来ています。マタニティヨガで自身の心と体、そしてお腹の赤ちゃんとのつながりを実感しながら、焦らず頑張りすぎず、出産に向けてのんびり心と体を整えていきましょう。
※医療行為として推奨する記事ではありません。マタニティヨガを始める場合は必ず医師の指示に従って行ってください。