【専門家監修】母乳育児中は食事にどの程度気を遣う?まったり母乳育児の食事制限

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専門家監修記事

助産師・浅井貴子先生による監修記事です。

母乳育児中は、赤ちゃんのお世話に加えて自分の食事にも気を遣うべき!と言われることが多いですよね。食中毒のリスクがあるから生ものを避けるべき、おっぱいが詰まるから油ものは厳禁、ケーキは禁止、などなど。
でも、本当にそこまで気をつけなければいけないのでしょうか。ただでさえ大変な子育て中なのに、食事まであれこれ制限されたらストレスが溜まりますよね。

そこで、今回は母乳育児中本当に気をつけるべき食事についてお届けします。母乳育児中の禁止のオンパレードに疲れている人はぜひぜひ読んでくださいね。

これだけは気をつけるべき食事や飲みもの

まずは、どんなに緩く母乳育児を頑張ろうと思っても、これだけは避けるべきという食事や飲みものをご紹介しますね。
とはいってもお酒やカフェインは絶対禁止という訳ではないのでご安心ください。

アルコールを摂取したら2時間は授乳しないこと

ワインやビール、チューハイにカクテル。妊娠前はお酒が大好きだった人にとって、妊娠期間中に続き授乳期間中もお酒を飲めないのは辛いもの。
でも、摂取したアルコールは血液から母乳に混じり赤ちゃんが飲むことになるので、授乳直前の飲酒は避けてくださいね。

とはいえ、卒乳・断乳するまで一滴も飲んではいけないというわけでもありません。
飲酒後30分から60分経過すると母乳にアルコールが検出されることがわかっています。また、その後2時間ほどでアルコール濃度は低下しますので、アルコールを摂取したら2時間は授乳をしないようにしましょう。

2時間でアルコール濃度が低下する目安の飲酒量はこちらです。

  • 度数5%のビール…350ml
  • 度数5%の缶チューハイ…350ml
  • 度数14%のワイン…100ml
  • 度数20%の日本酒…80ml

ただし、こちらはあくまで目安であるうえに、人によりアルコールの分解能力は異なります。飲酒量が多い場合はもっと間隔を空ける必要があるでしょう。
自信がないようであれば飲酒のあとは丸一日粉ミルクに切り替えるなど、自身で安全と思える対策を取るのがいいでしょう。

授乳中は禁煙

たばこを吸うと血中のニコチンが母乳に移行して、赤ちゃんもニコチンを摂取することになります。1日に20本以上たばこを吸う母親の母乳を飲んだ赤ちゃんがニコチン中毒を起こした例もあるので、たばこは卒乳まで我慢しましょう。
喫煙は吸う本人の健康だけでなく受動喫煙の問題もあるので、授乳終了後も禁煙を継続するのがやはりベターです。

カフェインは適量を守ればOK

コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるカフェインも母乳に移行するので、赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。
赤ちゃんが夜眠れなくなったりイライラしたりすることがわかっているので、過度のカフェイン摂取も避けたいところ。とはいえ、アルコールやたばこほどの制限はありません。
コーヒーであれば1日にマグカップ1.4~2杯程度であれば問題ないと言われているので、大量に飲まなければ大丈夫。ただし、カフェインに対する感受性は人により異なるのでくれぐれも摂取量には気をつけてください。
それから、日頃から緑茶やウーロン茶を常飲している人も注意してくださいね。緑茶やウーロン茶にもカフェインが含まれているので、がぶがぶ飲んでいるとカフェインの摂り過ぎになってしまいます。ほうじ茶、麦茶、ルイボスティーなどに置き換えてみましょう。

カフェイン入り飲料を摂取する場合は、母乳中のカフェイン濃度が上がるので授乳直前には飲まず、授乳後など次の授乳時間まで間隔があるときに飲むようにするといいでしょう。
デカフェ飲料も多く販売されていますので、そういったものに切り替えるのもおすすめです。

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油ものや乳製品にはどこまで気をつけるべき?

さて、母乳育児中頭を悩ませるのが、油ものや辛いものなど明らかに有害ではないけどよくないとされている食品たちです。
結論を先に言うと、母乳が問題なく出ていれば油ものやクリームたっぷりのケーキを食べても大丈夫。ピザやハンバーガーをもりもり食べても大丈夫ですし、辛いものを食べても母乳はまずくなりません。さっそくその根拠を確認していきましょう。

食べもので母乳の出方は変わらないのが定説

母乳育児を推進する人や助産師さんの中には、特定の食べものを食べると乳腺や乳管が詰まるとまことしやかに主張する人がいます。
ところが、これには医学的な根拠は一切ありません。

そもそも、母乳は血液が変化したものです。血管よりも太い乳腺がたった1回の食事で詰まるようであれば、誰でも他の深刻な病気を発症してしまいます。乳管の太さは、太いところで2㎜、脂肪などは2~10μ㎜ですので、物理的に詰まることはあり得ないのです。
だから、授乳中だからと言って、食べたいものを我慢する必要はありません。

とはいえ、健康を害するほどの暴食は避けましょうね。

食べものの味は母乳に移行しない!

味が濃いものや辛いものを食べると母乳がまずくなるという人がいます。でもこれも、ほぼ迷信です。
前述したように、母乳は血液から作られます。食べたものの味が母乳に移行するのであれば、血液の味も変わることになりますよね。香辛料を多く使うインドや東南アジアの人々の血液は味が辛いのでしょうか?彼らの母乳はしょっぱいのでしょうか?
答えはNO。食べたものの味が母乳に移行することはありませんので、好きなものを食べましょう。

でも、お腹を壊してしまうほど辛い食事は、身体に悪影響を与えますので避けましょうね。

母乳育児中は低カロリーの粗食がいいの?

母乳育児中は、玄米菜食がよい、粗食が母乳の分泌を促進すると主張する人がいますが、医学的には母乳育児中は通常時よりさらに350キロカロリーも多く摂取しなければならないとされています。これは、厚生労働省も指導していることです。
だから、カロリーが通常時よりも低くなる粗食は厳禁。しっかり食べて赤ちゃんに母乳を届けなければなりません。

また、鉄分やビタミンDといった栄養も必要です。鉄分はほうれん草やレバーなどに多く含まれますが、それだけで摂取するのは大変なので、赤身肉などの無理なく食べられる食品を選びましょう。ビタミンDは、魚や肉、卵などに豊富に含まれていますので、積極的に摂取しましょう。

つまり、カロリー面からも栄養面からも玄米菜食や粗食は厳禁。授乳中は、お肉や魚などのタンパク質、エネルギーを補給する炭水化ものをしっかり食べていきましょうね。

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実はこれが一番恐ろしい?母乳育児中の食欲

母乳育児中はとにかくお腹が空きますよね。部活に励む高校生男子のようにお腹が空きます。そして、食欲に身を任せてたくさん食べても太りません。母乳を作るためにエネルギーが消費されているので、産後半年ほどは食べているのに痩せるという夢のような状態になるのです。
ところが、このボーナス期間は長くは続きません。赤ちゃんの離乳食がスタートして、母乳を飲んでくれる量が減少すると母乳の分泌も減ってしまい、食べたら太るようになるんですね。

母乳育児中の人の多くが、産後ダイエットなんて簡単!と思うのですが、1年もすると、もしかして痩せるどころか太ってる?という恐ろしい事実に気付きます。母乳の分泌量は減っているのに、食欲はそのまま、摂取カロリーは多い状態が続くので、太ってしまうのは当たり前。
だから赤ちゃんが生後6か月を経過したあたりで、食事内容より食事量に気をつけてくださいね。食欲は爆発したままかもしれないので少し我慢が必要ですが、妊娠前の食事量を思い出して少しずつ通常の食生活に戻しましょう。赤ちゃんの離乳食の進行とともに、自身の食事も元に戻していく感覚です。
ダイエットはする必要はありません。以前の食事量に戻すだけでいいんです。

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まとめ

母乳育児中は食事に気を遣うべきと言われていますが、基本的にはカフェインとアルコール、たばこだけ気をつければOKです。
母親がストレスフリーでにこにこしているのが、赤ちゃんにとっては一番の栄養。食事に気を遣い過ぎてストレスをためないでくださいね。
食べものでおっぱいが詰まることはありませんし、母乳の味がまずくなることもありません。細かいことは気にせずにゆったりと赤ちゃんライフを楽しみましょう。

専門家コメント
授乳中の楽しみは3度の食事とおやつになりますが、今は飽食の時代なので食欲のまま食べていたら、産後に妊娠中より体重が増えてしまう人もいます。
また乳腺が細くコレステロールや中性脂肪が高い人は、高カロリーの食事を続けると乳腺炎になりやすくなる人もいますので、注意が必要です。
何事もバランス良く、おかずはたくさん食べるようにして、ママの体力も維持できるようにしましょう。

【監修】浅井貴子 先生

浅井 貴子(あさい たかこ)東京都在住フリーランス助産師 大学病院、未熟児センター勤務ののちフリーランスとして活躍。現在近隣の行政で、母親学級、育児相談、年...

プロフィール

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