父親のうつ「パタニティブルー」とは?その原因と対策のポイント

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ヘルスケア

イクメンという言葉がすっかり定着した反面、『パタニティブルー』というものがあるのはまだあまり知られていません。
これから父親になる、または父親になって嬉しいはずなのになんだか様子がおかしい…それはひょっとしてパタニティブルーに陥っているのかも知れませんよ。

パタニティブルーとは?

パタニティ(paternity)は英語で父性という意味し、パタニティブルーはマタニティブルーの男性版を指します。子どもができたことによる責任感、将来への不安やワークライフバランスの悩みから、精神的に不安定になってしまう男性が近年増えているとされています。

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パタニティブルーの症状

精神的な落ち込みという点が共通しているため、マタニティブルーと似た症状が出ます。

  • 特に理由もなく気分が落ち込む、滅入る
  • 漠然とした不安感に見舞われる
  • ささいなことでイライラしたり怒ったりしてしまう
  • 倦怠感があり、すぐに疲れてしまう
  • なかなか寝付けなくなり、眠りも浅くなった
  • 食欲が出ない
  • 集中力が著しく低下した
  • 物事に対する興味がなくなる・飽きっぽくなる

パタニティブルーの原因

マタニティブルーの場合、妊娠や出産に伴いホルモンバランスが劇的に変化することがいちばんの要因と考えられています。

では、そうした身体的変化のない男性がなぜパタニティブルーに陥ってしまうのでしょうか?個人差はありますが、よく挙げられる原因がいくつかあります。

父親としてのプレッシャー

男性の育児参加が注目される昨今、「イクメン」として頑張らなくては、と前向きに取り組む父親が増えています。その反面、特にもともと家事が得意でない男性はがんばりが空回りすることも少なくなく、さらに焦りやプレッシャーを招いてしまいます。
また共働き家庭だとしても、産休育休期間を考えると大黒柱として妻子を養わなくてはいけない、といった経済的なプレッシャーも発生します。

求められる役割とのギャップ

出産前までは夫と妻として過ごしてきた日々が、子どもの誕生をきっかけに大きく変わります。当然ながら母親は子どもにつきっきりになってしまいますから、以前のように夫婦の時間を取るのは難しくなるでしょう。育児が中心となるため、夫としてではなく父親としての役割分担を求められるわけになりますが、うまく切り替えられていないと自身の気持ちとのギャップに悩むことになってしまいます。

生活スタイルの変化

育児に参加していると、当たり前ですが以前のような時間の使い方はできません。
産後は仕事の時間と生活の時間のバランス、つまりワークライフバランスが大きく変わります。法律上では男性も育休を取得できるとはいえ、実際に取得できる職場環境とは限らないのが現状です。せめて残業を減らして育児に参加しようと、仕事と家庭の両立を目指して苦心するパターンは少なくないのではないでしょうか。
また、職場の飲み会や友人との交流に割く時間がほとんどなくなる場合がほとんどです。そうして家族以外との関わりが減るのも心理的に影響を及ぼします。

女性との「親になる」タイミングの違い

いくつかの原因を紹介しましたが、父親だけでなく母親も経験する項目もあります。にもかかわらず父親がブルーになってしまうのは、女性と違い妊娠期を経験しないという部分が大きいと考えられます。
女性は妊娠により激しい心身の変化に追われ、出産前から母親になることを自覚している場合がほとんどです。ですが男性はそうした経験をすることができないため、実際に我が子に対面するまで父親になる実感が湧きにくいと言われています。
妊娠期に親になる心の準備をじゅうぶんにできていないと、それまでの生活と子どもが誕生してからの生活のギャップに追いつけず、パタニティブルーを招く引き金になってしまうのです。パタニティブルーが産前より産後に多く見られるのもそうした要因が影響しているからでしょう。

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パタニティブルーの予防・対処法

ただでさえ出産で母親がクタクタになっているところに、父親まで不調になってしまっては家庭崩壊の危機にもなりかねません。妊娠・出産・育児にあらかじめきちんと向き合いつつ、思いつめないように心がけることが大切です。

両親学級に参加する

ひと昔前までは『母親学級』と呼ばれていましたが、近年では父親も参加対象としている『両親学級』も多く開かれています。医師や助産師、保健師などの専門家に直接指導してもらえるので、わからないことを質問して教えてもらうこともできます。
学級の講習では、妊娠における身体の変化、分娩についてなどの基礎的な知識はもちろんのこと、人形を使って沐浴のさせ方やおむつの替え方など育児の練習をすることができるのも大きいです。そうした実習をしておくことで、慌てふためくことなく余裕を持って実際の育児に取り組み始めることに繋がるでしょう。
妊婦ジャケットを着用して臨月の体の重さを体感できる機会を設けているところもあります。不自由さや大変さを実感することができるため、日常で気を使うべきポイントがよくわかるようになりますね。

父子手帳を活用する

父親用の母子手帳とも言える存在として、父子手帳というものがあります。

妊娠や分娩、育児について詳しく書かれているので、両親学級になかなか参加できないという人は特に読み込んでおくべきでしょう。
また、検診結果を共有してもらい父子手帳に書き込むのも赤ちゃんの成長を感じられるのでおすすめです。

夫婦の会話を大切にする

両親学級や父子手帳は妊娠中から親になる意識を高めてくれるのに非常に役立ちますが、産後なにより大切なのは夫婦のコミュニケーション。
お互いに忙しく、育児や仕事で疲れていていつの間にか会話が減っていた…というケースはよくあります。そうした状態はお互いにとって良いものではありません。
そうしたときこそ意識的に会話を増やすようにしてみましょう。子どもについての些細なことでもいいですし、その日の出来事でも構いません。会話をすること自体が夫婦の大切なコミュニケーションになり、会話がきちんとある状態であれば、育児の分担に関する相談も自然としやすくなります。
さらにそのなかで、お互いを思いやっていたわる言葉をかけるのも忘れないようにしましょう。

育児体験談を見聞きする

特にもともと真面目な気質の人は、父親としてきちんと役割をこなそうと知らず知らずのうちにプレッシャーが大きくなりがちです。
身近に育児を経験した人がいたら話を聞いたり、インターネットで経験談を読んだりすると、意外とみんな失敗を重ねたり悩んだりしてきたことがよくわかると思います。自分だけじゃないんだ、もっと肩の力を抜いてもいいんだと思えることでかなり楽になるはずです。

周囲の理解が必要

マタニティブルーと同様、パタニティブルーにも周囲の理解は不可欠です。
出産をするわけでもなくホルモンバランスの変動に見舞われるでもない男性の産前・産後うつは、認知度が低いこともあり理解されにくい傾向にあります。そのためパタニティブルーになっても自覚しにくかったり、批判を恐れて言い出せなかったりしてしまい症状の悪化や長期化に繋がる可能性もあります。
無闇に頑張りを促したりほかの男性と比較したりするようなことは避け、本人の悩みや不安を家族や友人、上司などが聞き出せる体制を作っておくことが望ましいでしょう。
精神的な疲弊から陥るものであるため、環境によっては産後1年以上経過してからパタニティブルーになってしまうケースもあるので注意が必要です。

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まとめ

妊娠が判明した段階から、夫婦一緒に親になる心の準備をして産後にギャップが生じないようにすることが大切です。また、男性の育児参加への意識が高まってはいますがいまだ男性の育休取得率は低く、家庭と仕事の両立に苦心する男性は多いはず。そんな状態のときもパタニティブルーに陥る可能性はあるので注意が必要です。
パタニティブルーは決して恥ずかしいものではありませんし、どんな人であってもはじめから完璧なイクメンにはなれません。ときにはリフレッシュをして、できる範囲のことからこなしてみましょう。

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