育児中の短時間勤務とその概要、家事の乗り切りテクニックを丸ごと解説!

産休や育休を取得したのち職場復帰した人を待っているのは、短時間勤務です。
通常通りの働き方ができる人もいますが、保育園の方針や初期の慣らし保育次第では、短時間勤務を選択せざるを得ないこともありますよね。
また、保育園と自宅、勤務先の位置関係によっては定時までの勤務が難しいことも。
そこで今回は、育児中の短時間勤務の概要や乗り切り方を紹介します。これから短時間勤務に突入する人、検討している人はぜひ参考にしてくださいね。
短時間勤務制度とは?
そもそも、「短時間勤務制度」とはどのような制度でしょうか。
短時間勤務制度の適用条件
実は、短時間勤務制度とは3歳未満の子どもを持つ人、要介護の家族を持つ人を雇用する企業に義務付けられた制度です。
3歳未満の子どもがいる場合、労働時間は「1日6時間」にしなければならないのです。
ただし、下記の条件を満たしている必要があります。
- 3歳未満の子どもを育てていること
- 1日の労働時間が6時間以下ではないこと
- 日雇い労働者ではないこと
- 短時間勤務制度導入前から育児休業を取得していないこと(2017年以前)
- 労使協定によって適用を除外されていないこと
この中でわかりづらいのが、「労使協定によって適用を除外されていないこと」ですね。
下記の項目に当てはまる場合は、労使協定によって短時間勤務の適用除外となってしまいます。
- 雇用期間が1年未満
- 週の所定労働日数が2日以下
- 業務の性質や実質体制上、短時間勤務にすることは難しい
労使協定とは簡単に言うと、労働組合と会社側での話し合いです。
労働組合が、「上記の条件を満たす人は短時間勤務制度を除外すること」に同意していると、3歳未満の子どもを育てている場合でも短時間勤務制度を利用することはできません。
短時間勤務制度中の給与
短時間勤務制度中は、勤務時間が少なくなるので、その分給与やボーナスが減額されてしまいます。
ただし、勤務時間が減少した分以上に給与やボーナスを減らしてはならないとされています。
短時間勤務制度を理由に給与やボーナスを必要以上に減額されているのであれば、不当な扱いを受けていることを主張しましょう。
それでも、改善してもらえない場合は、都道府県の労働局や労働基準監督署などに通告して、会社側に指導してもらうとよいですよ。
都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧|厚生労働省
いつまで短時間勤務制度を利用できる?
国は、「3歳未満の子どもを育てている従業員を雇用する企業」に、短時間勤務制度を義務付けています。ですので、法律的には3歳未満が短時間勤務制度の最低ラインです。
しかし、企業独自で短時間勤務制度を運用していることが多く、全体の3割が「小学校入学まで」としています。
国の制度としては3歳未満の子どもを育てている場合に短時間勤務制度を利用できますが、運用は企業によって異なりますので勤務先に確認しておくとよいでしょう。
短時間勤務制度中でも仕事をうまく回すコツ
短時間勤務制度中は、他の社員よりも勤務時間が短くなります。
その分給与が減額されますので決して不公平なものではありませんが、やはり肩身が狭い思いをしがちなもの。
そこで、「時短勤務だから」と言われないための仕事術をご紹介します。
仕事は必ず「見える化」しておくこと
育児中は、短時間勤務だけでなく子どもの発熱などで会社を不在にしがちです。本人が不在のあいだは他のスタッフが対応することになるので、仕事の見える化は必須。
IT化が進んでいる会社であれば、ChatWorkのタスク機能や、Trello、Googleスケジュールや社内システムなどで、仕事の進捗を常にわかる状態にしておくことが大切です。
ITの導入が進んでいない場合は、付箋を活用したタスク管理や、業務状況がわかるノートを作っておいてもよいですね。
どんな方法であれ、「仕事が今どんな状態で、次にやるべきことは何か」を誰が見てもわかるようにしておくと、突発的な自体にも対応しやすくなります。
きちんと見える化されていれば、同僚や上司、後輩たちも適切に対応できますので、お互いにストレスがたまりません。
上司や管理者への報告を怠らない
不在にする時間が増える、育児中の短時間勤務だからこそ、「報連相」は欠かせません。
どんな些細なトラブルや、トラブルの火種になりそうなことでも上司に報告しておくことで、不在時のトラブルに対処しやすくなります。
報告する手間がかかると思いますが、メールやチャットなどのウェブツールを使えば、通勤時間中の報告も可能。
とにかく連絡を密にしておきましょう。報告を受けていれば、不在時にトラブルが発生しても対策が取りやすくなります。「あれはどうなってるんだ!」という電話に怯える必要もありません。
朝と夕方の仕事の棚卸し
短時間で仕事を完了させなければならないので、タスク管理が重要です。
優先順位を見極めて集中して業務にあたらなければ、短い労働時間中に終わらせることができなくなってしまいます。
そのためにおすすめなのが、「朝と夕方の仕事の棚卸し」です。
今日は今から何をやらなければならないのか、そして何をやり残したのか、を毎日チェックしてみましょう。
タスク管理ツールで管理してもいいですし、手帳に書いても構いません。毎日のタスクを把握しておくことで効率を上げることができ、仕事のやり残しを防止できます。
さらに、やらなければならないことを常に意識できるので、集中力が高まります。
タイムスケジュールの作成は業種によっては難しいかもしれませんが、「この作業なら1時間」などと目安の時間を決めておくことはできます。
自分の仕事の所要時間を把握して、目標を決めておくと毎日の業務の効率が大幅にアップしますよ。
時短勤務中の家事・育児術
時短勤務中とはいえ、家事や子どものお世話には大きく時間を割かれます。
時短勤務が終了したらさらに時間がなくなってしまうので、それまでに短時間で家事や子どものお世話が終わるように用意しておくと安心です。
揃えておきたい育児の「3種の神器」
共働き世帯であれば、揃えておきたいのが「食洗機・洗濯乾燥機・自動掃除ロボット」です。
中でも食洗機と洗濯乾燥機の時短効果は抜群。食洗機を導入すれば、食器洗いにかける時間は1日でトータルしても10分以下に抑えることができます。
洗濯乾燥機で、全ての衣類を洗濯乾燥すれば、「洗濯物干し」や「洗濯物の取り込み」にかけていた時間がゼロに。
この2つを導入するだけでトータルの家事時間は1時間以上短縮できます。
自動掃除ロボットも、有効ではありますが子どもの小さなおもちゃが散らばっている状態では使えないので、ある程度子どもが大きくなってから導入するといいかもしれません。
定期的に家事代行サービスに面倒くさい系掃除を依頼
最近では、家事代行サービスに家事を依頼する世帯が増えています。
お風呂のカビ取りや洗面所の水垢取りなど、日頃ちょっと面倒だなと放置しがちな家事をお願いできるので、「汚いストレス」から解放されます。
空いた時間で子どもたちと遊んであげるのもよし、ゆっくりするのもよし。
週末の作りおきや宅配食材で毎日の夕食ストレスを軽減
毎日の食事作りは、短時間勤務中とは言えども大きなストレスです。メニューを考えて、買い物をして、作るという一連の作業は重労働。
ですので、週末にまとめて作ったり下ごしらえしたりしておくと、平日の晩ご飯作りがとっても楽になります。
最近では保存日数ごとにレシピをまとめたサイトなども多くあるので、チェックしてみましょう。
でも、せっかくの週末を調理作業に費やしたくないという人もいますよね。
そんな場合は、調理時間が大幅に短縮できる食材宅配サービスを使ってみてもよいですよ。
レシピとともに必要な食材が下ごしらえまで完了した状態で届くので、買い物に行く手間が省けて無駄な食材を購入せずに済み、メニューや栄養バランスも自分で考えなくて済みます。
スーパーの食材よりも高額ですが、トータルで考えると節約になることもあるんです。
まとめ
育児中の短時間勤務は、多くの労働者が利用できる制度です。
短時間勤務中は給与が減ってしまいますが、子どものお迎えなどの時間に少しゆとりが持てますので、上手に活用したいもの。
今回ご紹介したテクニックを駆使して、仕事や家事、育児を上手に回しながら、短時間勤務を乗り切りましょう。