【専門家監修】赤ちゃんの予防接種は計画的に!ワクチンで感染症を防ごう

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お世話

助産師・浅井貴子先生による監修記事です。

ちゃんは身体が小さいため、感染すると危険な病気がたくさんあります。少しの体調不良が文字通り命取りになってしまう事もありますし、仮に治療が間に合ったとしても後遺症が残ってしまう場合も…。
そのような事態を少しでも減らしてくれるのが、予防接種です。残念ながら、この世のすべての病気にワクチンがあるわけではありませんが、少しでもリスクを回避できるなら打つべきだと思いませんか?

この記事では、これから予防接種デビューする親子や、なんとなく始めてしまったけど不安を感じている人などの参考になりそうな情報をまとめました。ぜひチェックしてみてください。

予防接種の基本知識

まずは、予防接種についての基本的な知識を確認してきましょう。
すでに知っている部分もあるかもしれませんが、医学の進歩などにより年々変わっていく情報もあるので、改めて読んでみていただきたいです。あとから「知らなった…」と後悔する事態を防ぎましょう!

ワクチンデビューについて

日本では、赤ちゃんは生後2ヵ月から予防接種をスタートします。ワクチンの種類がいくつもあり、複数回打たなければいけないものもあるので、なんと半年で15回も打つことに。
しかも、ワクチンの効果をしっかりと得るためには接種の間隔を空けないといけません。体調不良や用事でスムーズに進まないこともあるので、前半戦は特に気合を入れて取り組みましょう。
予防接種は事前予約制の病院が多いので、産科での1ヵ月検診が終わったら早速、問い合わせ&予約してみてください。

どうして予防接種が必要なの?

冒頭でも触れましたが、赤ちゃんは免疫が未発達なので一度の感染が重症化しやすい傾向にあります。場合によっては命に危険が及んだり、後遺症が残ることも。
しかし、医学の進歩によって感染症に有効な「抗体」を体内に作らせることも可能になってきました。その方法の中で最も安全で確実な方法が、注射や服用でワクチンを体内に入れる予防接種なのです。
きちんと予防接種を受けさせて、赤ちゃんを未然に防げる病気から守ってあげましょう。

ワクチンごとにベストなタイミンや回数、間隔がある

予防接種は公費負担で受けられるものが多く、該当するものは出生届を出すと自治体から予診票が渡されます。併せて子どもの予防接種が受けられる医療機関や、接種できるワクチンの種類と回数、適した時期や間隔なども通達されるので、チェックしてくださいね。
基本的にはこの情報をもとに、病院で予防接種を受けていきます。転居や里帰りなどの場合も、役所で手続きをすれば公費の援助は受けられることが多いです。念のため、接種前に確認をしておくと安心かも。

任意接種は不要なワクチン?

予防接種には、前述した「公費負担」で受けられるものと、そうでないものがあります。自治体によっては「一部助成」というものも。
自費負担の予防接種は「任意接種」と呼ばれることもあり、受けなくてもいいように思えるかもしれませんが、出来るだけ受けておくことをオススメします。
その理由は、以下の4点。

  • 入園時に接種を義務付けているところもある
  • 日本では自費負担でも、海外だと公費負担という場合がある
  • 数年前は任意接種だったが公費負担にシフトしたワクチンもある(Hib・肺炎球菌・ロタなど)
  • 任意接種だから病気が重症化しないということではない

経済的負担やスケジュールの都合で難しい場合もあるかもしれませんが、可能な範囲で受けて、リスクを抑えましょう。

同時接種を活用しよう

ワクチンの同時接種は、日本では10年ほど前から徐々に浸透しはじめた方法ですが、世界的にはもっと前から広く行われていた方法です。多いところでは6種類を一度に打つケースもあるほど。
同時接種の主な利点は2つあります。

  1. 通院の回数が減らせるのでスケジュール管理が楽になる
  2. 少しでも早くワクチンを打って、感染のリスクを最小限に抑える

1度に1種類ずつ打つ方法を取ると、5ヵ月ものあいだ毎週ワクチンを接種し続けることになるそうです。都合が合わなかったり、少し体調を崩したりしたらスケジュールはどんどん後ろ倒しになり、そのぶん危険な感染症にかかる可能性も…。
WHOも同時接種を推奨していますし、できれば同時接種でスムーズにワクチンを接種していきましょう。

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知っておきたいテクニック

実際に予防接種を打つにあたり、例えば病院選びや接種時の対応の仕方などの気を付けたほうがいいこと、知っておくと助かることがあります。併せて、予防接種のスケジュール管理に役立つ情報も。
3つの項目にまとめてみたので、参考にしてみてください。

基本はかかりつけの小児科で打つ

予防接種は赤ちゃんの普段の様子や持病、体質などを把握してくれているかかりつけの小児科で打ちましょう。そうすることで、副反応などで万が一の異変があったときもスムーズに対応してもらえます。
また、病院の待合室やトイレは病児と予防接種で分かれているのが理想的。空間や設備、オモチャなどを共有しないことで、病気をもらってしまうリスクが軽減できるからです。
まだかかりつけ医が決まっていないなら、病院選びの基準に含めてみてください。

ちなみに、ワクチンの種類によって集団接種を設けている自治体もあります。赤ちゃんの場合は集団接種のメリットはそれほど大きくないですが、同じ月齢の親子と交流する機会になるかもしれませんね。

泣いてしまっても大丈夫

生後3,4ヵ月の小さな赤ちゃんでも、注射の痛みや不安から泣いてしまう子はたくさんいます。逆に、顔色一つ変えず打てる子も。どちらにしても、大人が心配して慌てる必要はありません。
ただし、注射の針を刺しているときに暴れてしまうと危険なので、身体や腕はしっかり押さえてサポートしてあげましょう。
待合室に戻ってからも泣き止まず、10分以上泣き続けることもよくあります。痛みが続いているというよりは、ビックリしたり不安になったりしている状態なので、抱っこであやしてあげられるといいですね。

注射や病院が嫌いにならないように、予防接種の前後はポジティブな声掛けを。「一緒にがんばろうね」「えらかったね」など寄り添うような言葉がオススメです。

スケジュール管理の方法

予防接種は受けられる月齢や間隔が決められているうえに種類も多いので、一覧表でスケジュールを確認できるようにすると分かりやすいです。
自治体や小児科などで配布していることもありますが、我が子の生年月日に合わせて計算した表を作ってくれる便利なサイトもあります。

ワクチン.net

用意した表は、ウッカリ忘れを防ぐため目につくところに貼っておきましょう。特にスケジュールの後半になればなるほど、間隔が空いたり育児で手いっぱいになったりして忘れがちなので要注意。

スマホでスケジュール管理ができるアプリもあります。生理日や出産予定日の管理もアプリでやっていた人は、特に重宝するのではないでしょうか。
また、夫婦で予防接種のスケジュールを共有し合うのもいいですね。

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困ったときはどうする?

最後に、予防接種にまつわる困りごとの対処法もお伝えします。
よく聞くのは、やはりタイミングを逃してしまったと慌てる声。次に、注射を打ったら副作用で熱を出したなど、体調を崩したという不安の声も少なくありません。
いざという時に慌ててしまわないよう、事前にどうするべきか知っておきましょう。

接種のタイミングを逃してしまった…

育児や仕事に追われながら生活していると、うっかり忘れてしまうことも実は多いです。
そんなときは、慌てずに病院や自治体に相談してみるのがベスト。推奨されている月齢や間隔を逃すと接種が公費負担にはならない可能性もありますが、基本的に接種自体は遅れてでもできます。
特に、第2子以降や産休育休明けは忘れやすい傾向が強めです。該当する、予定のある人は頭の片隅に入れておいてくださいね。
心配ならやはり、目につくところにスケジュール表を貼るのが確実なのでオススメです。

また、アレルギーや病気などが原因でワクチンが打てない、打てなかったという子もいます。ワクチンに抵抗感があり避けていたけど、やはり打ちたいと考える人もいるでしょう。

接種に遅すぎるということはありませんし、タイミングがずれたからと怒られることも普通はありません。少しでも早く対応してもらえるように、気づいた時点ですぐに動きはじめましょう。

ワクチンの副反応って?

薬の副作用と同じように、予防接種では副反応が出ることがあります。その症状はワクチンの種類や赤ちゃんの体質、体調によって変わり、出やすさも人それぞれ。
副反応の出るタイミングとしては、重篤なものは打ち終わって数十分間に現れやすいと言われています。なので、接種後しばらく待合室で様子見をする病院が多いですよ。
副反応は、一度も出たことがないという子もいれば、何度も出てしまう子もいます。

主な副反応の例
  • 打ったところが赤くなったり痒くなったりする
  • 蕁麻疹が出る
  • 熱が出る
  • 下痢をする
  • 吐き気がする

熱も38.5℃前後は出ますが、翌日には下がる事が多いので心配は無用です。高熱が続いたりぐったりしたら、予防接種を受けた病院や#8000などに相談してみると、安心できるかもしれません。
また、皮膚に変化が見られた場合は写真に収めておくと後々の比較や診察がしやすくなります。そのほか熱などの症状でも、いつどんな様子だったかを日時とともに記録しておきましょう。
また、予防接種の当日を含めて前後1日は予定を入れず、お家でゆっくり出来る環境を整えてあげましょう。

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まとめ

赤ちゃんの予防接種は、危険な感染症を防ぐために必要なものです。出来る限り、推奨されたスケジュール通りに打つようにしてください。
また、もしタイミングを逃してしまったら少しでも早くリカバリーすることが大切。副反応や任意接種など、「これってどうなの?」という事案に遭遇することもあると思います。そんな時は専門家に相談しながら、赤ちゃんの健康を守るためにベストな選択をしていきましょう!

専門家コメント
予防接種は親の責務や責任が問われる大事なものです。全く何も受けさせない方もいますが、これはネグレクトの1つとして認識される国もあります。
保育園入園や就学時、お子さんが渡航するときに本当に困るのは誰なのかをよく考えて、正しい選択が出来る事を望みます。

【監修】浅井貴子 先生

浅井 貴子(あさい たかこ)東京都在住フリーランス助産師 大学病院、未熟児センター勤務ののちフリーランスとして活躍。現在近隣の行政で、母親学級、育児相談、年...

プロフィール

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