【専門家監修】妊娠中の運動はウォーキング!妊婦におすすめする理由

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エクササイズ

助産師・浅井貴子先生による監修記事です。

妊娠中の運動不足解消としてまず挙げられるのがウォーキング。手軽に始められるということもあり、妊婦向けエクササイズのなかでも人気です。
本記事では、効果的な歩き方や注意点などを紹介しますので、ウォーキングを開始したいと考えている方はぜひ参考にしてくださいね。

なぜウォーキングが人気?

妊娠中に適度に運動をすることで、体重管理・体力づくり・筋力維持・血行促進・気分転換など様々な嬉しい効果があります。

妊婦でも無理なくでき、メリットの大きい種目としてマタニティヨガやマタニティスイミングなども人気ですが、ウォーキングはなんといっても自分のペースで気軽に生活に取り入れることができるのが魅力的。運動が苦手な人でも、短時間から始めることができます。
特に必要な道具もなく、運動靴と動きやすい服装であればすぐにでも取り組めるのも経済的で嬉しいポイントです。

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散歩とウォーキングの違いは?

まずは家の周りや公園を散歩することから始めてみよう、という人は多いと思いますが、そもそも「散歩」と「ウォーキング」、どう違うのでしょうか?
一般的には、散歩はゆったりとしたペースで散策するように歩くことを指します。そのため立ち止まって気の済むまで休んだり、風景を楽しんだりとペースを定めずに歩行します。
一方、ウォーキングは健康を目的として歩く有酸素運動です。そのため散歩のときと歩く速さやフォームに気をつけなくてはいけません。
もちろん、散歩程度の歩行だと意味がないということはありません。体調や気分に合わせて散策するだけでも心身ともにリフレッシュするでしょう。

妊娠中のウォーキングはいつからしてもいい?

一般的には安定期に入ってから開始するパターンが多いですが、子宮頸管無力症など安静が必要な場合もあります。自己判断せず、必ず担当医の指示を仰ぎましょう。
また、臨月になってから急にウォーキングを始めるなど急な行動は取らず、担当医の許可をもらったならまずは15分程度の短い時間でウォーキングを開始し、体力をつけながら臨月に向け少しずつ距離と時間を伸ばすようにしていくと良いでしょう。
なお、妊娠中の運動頻度の目安として週に2~3回60分以下の運動が望ましいとされていますから、運動に不慣れな人や体力に自信のない人は、まず週1回15分程度から始めて様子を見ながら運動量を増やしていきましょう。

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ウォーキングのやり方

歩くときの姿勢はとても大切。ただ足だけ動かして距離を進むのではなく、全身運動として意識しましょう。正しい姿勢を行うことで体に無理な負担をかけずに歩けるうえ、腹筋や背筋、骨盤底筋などの出産にも役立つ筋肉を効率的に鍛えることができます。

1.背筋を伸ばす!

背筋を伸ばして、頭から足まで糸をピンと張ったような真っ直ぐな状態を保ちましょう。特に妊娠中期以降お腹が出てくると、お腹の重さを逃そうと無意識に腰を反らした状態になりがちです。腰を痛める原因となるので気をつけてくださいね。

2.腕をしっかり振る!

両腕をだらんと下げたまま歩くのではなく、脇を締めて肘を曲げ、歩調に合わせて前後にしっかりと腕を振りましょう。
そうすることで、上半身にも運動効果が得られます。

3.いつもより少し歩幅を大きく!

無理をして歩幅を大きくすることはありませんが、いつもより少しだけでも歩幅を大きくするように意識してみましょう。股関節が大きく動き、腕の振りも自然と大きくなるため運動強度が上がります。
かかとで着地し、つま先で蹴り出して次の一歩を踏み出すようにすることで推進力が生まれやすく、足腰への負担も軽減できます。
お腹が大きくなると地面が見にくくなるので、普通の歩幅あるいは小さめの歩幅になっても構いません。

4.適度な負荷に留める!

ウォーキングは正しいフォームで1歩1歩しっかり歩き、心拍数が140を越えない程度の負荷で行います。
もともとの体力には個人差があるうえ、妊娠中は疲れやすく息が上がりやすい状態ですので、心拍数が上がり過ぎないように適宜ペースを落とす、休憩を挟む、水分補給をする、夏場は夕方以降にするなど、決して無理はせず自分なりのペースで歩くようにしましょう。

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注意点

気軽に始められるウォーキングですが、いくつかの注意点があります。自身と赤ちゃんの健康のためにも、以下の点を参考にしてくださいね。

ウォーキングの前後にストレッチをする

歩くだけだから、と思ってストレッチを怠る人は少なくありませんが、必ず行うようにしましょう。事前にストレッチをすることで怪我を防止し、終わったあとも再度ストレッチをすることで疲れが残りにくくなり、むくみの悪化も防げます。
特に妊娠中は血行が悪くなっていたり筋肉が凝り固まっていたりしがちなので、軽くでもストレッチを忘れず行うようにしましょう。また、ホルモンの影響により関節の靭帯が緩んで不安定な状態なので、ストレッチの際は深すぎない程度の曲げ伸ばし留め、ゆっくりとした動きで行いましょう。

休憩を取る

特に不調がないとつい妊娠前と同じペースで体を動かしてしまいがちですが、通常とは違う体の状態になっていることを念頭に置いて歩きましょう。運動強度は妊娠前の7割程度に留めておくと良いとされていますので、きついと少しでも感じたらこまめに休憩を挟みましょう。

天候に気をつける

ウォーキングは当然ながら屋外で行いますから、気温や天気に配慮しましょう。夏であればあまりに暑い日は中止し、そうでなくても朝方の涼しい時間帯に済ませたり、冬であれば積雪や凍結のある日を避け、暖かい時間帯に行ったりなどしてください。

紫外線対策をする

妊娠中はホルモンの変化によりメラニンの生成量が大幅に増え、シミができやすい状態になっています。一度シミができると改善はなかなか大変ですので、ウォーキングの際は日焼け止め対策を欠かさないようにしましょう。日差しが強めの日は帽子をかぶるのも良いですね。
顔や手足だけでなく、デコルテやうなじにも日焼け止めの塗布を忘れずに。

持ち物を確認する

思いのほか汗をかいてしまうものですから、水分補給のためミネラルウォーターなどを持参しましょう。
また忘れてはならないのが母子手帳や診察券。万が一に備えて、ウォーキングの際も携帯するようにしましょう。

絶対に無理をしない

どんな動作においてもそうですが、お腹が張ったり痛くなったり、なにかしら体調が変化したらすぐに中止しましょう。また、途中で想像以上に疲れてしまうことも珍しくありません。そんな場合も無理をせず、公共交通機関やタクシーなどで帰宅するなどの対処をしましょう。
自己判断で安易に大丈夫と判断するよりは、気をつけすぎるくらいでちょうど良いはずです。

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まとめ

まずは気軽に、近所のスーパーへ徒歩で向かう、帰り道を少し遠回りする、ひと駅分歩いてみるなど、ちょっとしたことから取り入れてみるのがおすすめです。小さなお子さんがいる場合は、公園を一緒に散歩をすることを日課にするなどしても良いですね。
季節や天候次第では、買い物がてらショッピングモールの建物内をたくさん歩くという人も。
体調に合わせて、楽しくウォーキングを習慣づけましょう。

専門家コメント
健康な妊婦さんであればウォーキングはしても大丈夫ですが、医者からウォーキングを勧められて積極的に歩いたら切迫早産になってしまったという話もよく聞きます。
ウォーキング前後だけでなく、歩いているときも時々お腹に手を当ててお腹が張っていないか確認しながら歩きましょう。
また、妊婦さんは転びやすいので、ノルディックウォーキングのポールがある人はそういった道具を使うことによって安定感が増します。
より体力をつけたい人は、坂道を歩くのも良いでしょう。頑張りすぎず、体調に合わせて行いましょう。

【監修】浅井貴子 先生

浅井 貴子(あさい たかこ)東京都在住フリーランス助産師 大学病院、未熟児センター勤務ののちフリーランスとして活躍。現在近隣の行政で、母親学級、育児相談、年...

プロフィール

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